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ラプソディーインブルーとはどんな曲?アメリカ音楽を代表する名曲になった経緯とは?

楽曲解説

ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」といえば、アメリカを代表するクラシック曲として有名ですね。

ジャズの要素がふんだんに取り入れられているため、シンフォニック・ジャズと呼ばれることもあります。

ラプソディ・イン・ブルーは、ガーシュウィンのアイデアがいっぱい詰まった作品で、とてもユニークで華やかな曲です。

この記事では、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」の作曲の経緯とその特徴について解説しています。

ラプソディインブルー作曲の経緯は?

「ラプソディ・イン・ブルー」は、1924年にジョージ・ガーシュウィンが作曲した作品です。

アメリカ合衆国のクラシック音楽シーンにおける重要な転換点を示す作品となります。

当時、アメリカの劇場で上演されるほとんどの作品は海外からのものであり、アメリカ独自のクラシック音楽作品の創出が求められていました。

この状況の中で、ジャズの王と呼ばれていたポール・ホワイトマン「An Experiment in Modern Music(現代音楽の実験)」というイベントを企画し、アメリカ音楽の新しい方向性を探ることを目指しました。

このコンサートのために、ガーシュウィンはジャズの要素を取り入れた作品を作曲することになりましたが、これはホワイトマンの提案によるもので、ガーシュウィン自身は突然の依頼に驚いたとされています。

しかし、新聞での発表を経て、ガーシュウィンはこの挑戦を受け入れ、短期間で作品を完成させました。

ちなみにですが、「現代音楽の実験」には審査員がいたようです。

正確な記録は残っていないようですが、スーザラフマニノフクライスラーストラヴィンスキーハイフェッツといった作曲家たちが審査を務めたとされています。

何とも錚々たるメンバーですね。

例えるなら、ノーベル賞受賞者やフィールズ賞受賞者が審査員として集まる学術会議のようなものでしょう。
それだけ貴重でものすごい催し物だったということです。

この現代音楽の実験で、ラプソディ・イン・ブルーはコンサートのハイライトとして披露され、アメリカ音楽における新しい方向性を示す作品として大きな注目を集めました。

この初演は1924年2月12日に行われ、ガーシュウィン自身がピアノソロを演奏しています。

この時、オーケストレーションはポール・ホワイトマン・オーケストラのアレンジャーであるファーディ・グローフェによって手掛けられました。

グローフェは後にこの作品をオーケストラ用に再編曲し、よりクラシックに近い形での演奏が可能になりました。

そして、ラプソディ・イン・ブルーは、クラシックとジャズの融合という新ジャンル、「シンフォニックジャズ」の先駆けとなり、アメリカ音楽の新たな地平を開いたと評価されています。

この作品の成功により、ガーシュウィンはアメリカだけでなく、ヨーロッパでも有名になります。
そのため、ラヴェルやストラヴィンスキーといった作曲家たちとも交流を深めたようです。

特にラヴェルには、オーケストラを学ぶために弟子入りを志願したという話もあります。

ラプソディ・イン・ブルーはガーシュウィンにとって大きな転機となり、その後も「パリのアメリカ人」「ポーギーとベス」など、多くの記憶に残る作品を生み出していきます。

また、この経験を通じてオーケストレーションの技術を深め、アメリカ音楽の発展に貢献したことで、ガーシュウィンは20世紀アメリカ音楽の重要な人物の一人としてその名を刻むこととなりました。

ラプソディインブルーはどんな曲?

タイトルに含まれる「ラプソディ」とは、叙事的または民族的な性格を持つ自由で幻想的な楽曲のことを指します。

当初は「アメリカン・ラプソディ」と名付けられる予定だったようです。

ところが、ガーシュウィンの兄であるアイラの提案により「ラプソディ・イン・ブルー」と改名されました。

楽曲の冒頭は、クラリネットによる印象的なグリッサンドで始まります。

このグリッサンドは、クラリネット奏者が2つの音の間を滑るように演奏する技法となります。

ガーシュウィンが当初17連符として書いた部分を、初演時のポール・ホワイトマン・オーケストラのクラリネット奏者が遊び心からグリッサンドで演奏したことがきっかけで採用されました。

この技法は、クラリネットの特性を活かし、トロンボーンでよく用いられる表現をクラリネットにも適用することで、独特の音色と効果を生み出しています。

また、楽曲全体を通じて、ピアノがフィーチャーされ、ジャズの要素と奏法がふんだんに取り入れられています。
ピアノパートは、ジャズの即興演奏を思わせるパッセージが含まれ、リズミカルでダイナミックなメロディー展開が特徴です。

そして、トランペットのソロでは、ワウワウミュートを使用したユニークで印象的な演奏が行われます。
このミュートは、ベルの開口部を演奏しながら左手で開閉することで、特有の音色を生み出しています。

「ラプソディ・イン・ブルー」は、ガーシュウィンの創造力と音楽的才能の集大成であり、ジャズとクラシックの境界を越えた新しい音楽的表現を模索した20世紀初頭の革新的な試みを体現しています。

技巧的な演奏と情熱的なメロディー展開で、今なお多くの人々に愛され続けています。

まとめ

ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」は、ジャズの要素を取り入れたシンフォニック・ジャズの代表作であり、アメリカ音楽史における重要な転換点を示す作品です。

アメリカ独自のクラシック音楽を目指したガーシュウィンの挑戦は、音楽の新たな地平を開き、20世紀アメリカ音楽の発展に大きく貢献しました。

心躍らせる楽しい雰囲気と、創造力あふれる華やかなメロディが素敵ですよね。

これからもシンフォニック・ジャズの傑作として、後世に語り継がれ、多くの人々に愛され続けることでしょう。

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